不器用だから、時間をかけて役を生きる――横浜流星が感じる日本文化の奥深さ #アジア文化最前線(Yahoo!ニュース オリジナル 特集)

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10/4(日) 16:04配信

9月に30歳を迎えた俳優・横浜流星。彼の出演作品を振り返ると、映画『国宝』では歌舞伎、NHK大河ドラマ『べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~』では浮世絵、映画『ヴィレッジ』では能、映画『線は、僕を描く』では水墨画と、日本の伝統文化を題材にした作品に多く出演してきたことがわかる。その経験を通して、自身も今、文化の担い手として「日本映画のためにできることは何だろう」と考えるようになった。日本の映画、ドラマをどう作り上げ、どう届けていこうとしているのか。(取材・文:SYO/撮影:倭田宏樹/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)

「個人と役者で視点は異なりますが、自分は幼少期から武道をやってきたため、和の精神が身についていると感じます。役者としては、日本文化の素晴らしさの一つに“余白の美学”があると捉えていて」 横浜は幼い頃から極真空手に励み、中学3年生の時には世界大会で優勝した経験を持つ。まだまだ知識不足ですが――、そう前置きして、言葉を続けた。 「西洋の芸術は“足していくことが大切”という考えがあるのに対し、日本の水墨画などは完璧を求めずに自分の内側や自然と向き合い、引いていくことを重視しています。そうすることによって、見る人の想像力を引き出す狙いがある。この美学は、何に対しても根底にあるように思います。僕は『国宝』で歌舞伎、『ヴィレッジ』で能に触れましたが、幼少期から行っている空手も含めて規範となる“型”があります。ある意味不自由なもののはずなのに、型を極めた先には自由が生まれる。まずは型を守り、学び、その先に己のスタイルを確立する『守破離』の精神ですが、そこにも余白が生きているように思います」

『べらぼう』では江戸のメディア王・蔦屋重三郎を任された。 「当時はポップカルチャーが大きく花開いた時代で、庶民の娯楽だった浮世絵や黄表紙(挿絵入りの娯楽本。漫画の原点ともいわれる)は後に多くの芸術家に影響を与え、美術史を揺るがしました。そして今や日本のアニメは世界を熱狂させています」 芸術に限らず、衣食住においても「いいものを柔軟に吸収して、独自の感性で進化させて日本流にするのが得意」と指摘する。日本文化の奥深さと強みを知ったからこそ、「世界に誇る日本映画を作りたい」と力を込めた。 「乗り越えないといけない壁は無数にありますが、大切なものを受け継ぎながら全力を尽くしていきたい。自分は今年で俳優生活15周年を迎えますが、出合ってきた作品と生きてきた役、藤井道人さんや李相日さんといった監督陣、素敵な役者の皆様に影響を受けて、自分が日本映画の発展のためにできることは何だろうという想いが日に日に強くなってきています」

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